2023年になってから一気にコオロギブームが到来、NTTが参入したり長澤まさみが美味しいアピールしたり盛り上がっています。「エコで高タンパク」が売りですが、それだけで安易安直に常食していいのかを調べてみました。
心配な理由1
人体への影響がよくわかってない
まず日本人は結構なゲテモノ食いですよね。グルメとも言えますが、特に海産物系はなかなかハードですよね。例えばナマコやホヤ。
よくこの外観で食べてみようと思えたな、といつも日本人の探究心には感心してます。ですが、この日本人の貪欲さをもってしても、コオロギは常食対象にもならず珍味対象にもなってきませんでした。
野食ハンターの評価は「中の下」
虫を食べることで有名な野食ハンターの茸本さんはコオロギの味の評価を「中の下」としています。いろんな虫を食べた人だからこそ語れる味の評価ですよね。
昆虫食が色んな意味で話題ですが、野食ハンター的には「コオロギという『味ランク中の下』の虫が代表食材になってる限りは昆虫食推進には関わりづらい」ってのが本音。
日本人は美味しいものならちゃんと食べる国民なんだから、美味しい昆虫の美味しい食べ方を紹介していきたい。SDGsなんてその後の後— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンター茸本朗ch」公開中!! (@tetsuto_w) February 20, 2023
巷のコオロギ批判、その真偽はいかに
また、味とは別に、コオロギの成分が「人体に良くなさそう」VS「別に良くないことはない」論争も勃発しています。例えば内閣府の「食品安全委員会」が4年前に記載した警告文には
とあります。これだけ読んだらコオロギやばいじゃん、と思いますよね。ところが元食品安全委員会の松永和紀(わき)さんに言わせると、こんなのは「どの食品でも言えることでコオロギだけがこれに該当するわけじゃない」らしいのです。
で、この松永和紀さん、一体ナニモノなのかと思って調べてみたところ、60才の女性サイエンスライターで、ツイッターでは現在昆虫食推しの投稿が多め。
このスレッドは、昆虫食を考えるうえで必読ですね。タイでコオロギのライフサイクルアセスメントが既に行われていて、2017年には発表されたとか、すごい。アジアの視点を踏まえての取り組み、情報発信と連帯、ほんとうに大事だと思う。 https://t.co/CQ38ylQLrK
— 松永 和紀 (@waki1711) March 3, 2023
ウィキペディアによる彼女の紹介文を読むと
松永氏の主張
・遺伝子組み換え食品は大丈夫
「ハワイのパパイヤをウイルスから救った遺伝子組換え技術」を紹介して、遺伝子組換え技術の有益性を主張している
・食品添加物も大丈夫
「最近メディアで添加物が悪い根拠として取り上げられていることのほとんどは、学術的に完全に否定されていることや古い研究結果の誤った解釈、さらに思いこみに基づく根拠のない主張だ」
・ネオニコチノイドも大丈夫
「EUが禁止しているのに日本はなぜ、ネオニコチノイド系農薬を使うのか」と非難する市民団体があることに触れ、「EUで禁止なのだから日本でもネオニコ禁止を」という論法については、科学的な思考でないと批判した。」
という主張し農業や食品関係で活躍しておられます。
コオロギブームがさらに加速すれば松永和紀さんのメディア登場回数も増えるのかもしれません。
これとは別に、中国の漢方書には「コオロギは妊婦に禁忌」とあったり、甲殻アレルギーの心配もあります。最近ではプリン体が多いらしい話も出てきているので、未知なことが多い分、今後も心配の種はいろいろ出てきそうではあります。
心配な理由2
気づかないうちに食べさせられそう
コオロギがまるっと出されたら「うわぁ・・・」と思いますよね。ネタならいいかもです私は無理です。
※ピーチクという会社の販売サイトより引用
ですが今後はコオロギだとはわからない形で食べてしまう事態になるかもしれません。すでにコオロギクッキー、コオロギパンなどが販売されているのですが、食品表示名がコオロギとはわからない名前になっている場合もあるようです。
まず1つ目の表示名は「ドライクリケット」。コオロギは英語で「cricket」という可愛らしい名前なので「乾燥したコオロギ粉末」=ドライクリケット(dry cricket)と呼ばれます。
2つ目が「グリラスパウダー」です。コオロギとは思えない名前ですが、グリラスは「フタホシコオロギ」の学名の一部です。
で、このグリラスにパウダーをつけて「グラリスパウダー」としたのは、徳島にあるコオロギ食品加工会社「グリラス」と思われます。
さらに。コオロギ関連で頻繁に出てきそうな名称を2つ。まず「シートリア」。シートリアとはCが3つ(トリオ)の意味で、Circulated(循環型) Cultured(養殖された) Cricket(コオロギ)の3Cのことで、原材料名ではなくブランド名なので「原材料名」の欄には記載されないと思います。
セイコーマートでもシートリアのプロテインバーが販売されています。パッケージがかっこよすぎて一見してコオロギが入ってるなんて全くわかりません。
最後が「サーキュラーフード」です。これは「循環型食品」という意味なので、コオロギ食を含め、フードロスを減らすための食材といった意味合いになります。おそらくですが、これが成分名や原材料名に表示されることはなさそうです。
以上、カタカナ語のオンパレードでしたが
・クリラスパウダー
・シートリア
・サーキュラーフード
は今後も頻出用語となりそうです。
心配な理由3
酪農家が駆逐される?
コオロギの養殖、コオロギ産業には補助金が出ます。ツイッターでは防衛費と同じ6兆円となっていましたが、実際のところはSDGs全体の補助金が6.5兆円だそうです。
BuzzFeed記事は信用ならないところもありますが、岩手県の未来創生プロジェクトのページにも予算の記載がありましたので事実でしょう。
現状そこまでコオロギ補助金が多くはなさそうです。
でも、あまりにメディアにコオロギが頻出、河野太郎氏もコオロギ食べるし、長澤まさみも美味しいと言うしで、嫌悪感を抱く気持ちはわかります。
本当にタンパク質が足りてないならまだしも実際は足りているからおかしいなと感じるんです。
「牛のゲップで地球上のCO2が増えるから牛は良くない」だなんてほぼ難癖。既存の「良きもの」が理不尽な理由でどんどん処分され、生活そのものが脅かされているわけです。
今年の肉と卵は厳しいかもの前提で備蓄を
今後のタンパク源は大豆や魚に限定されるかもしれません。近場に海や河がなく釣りができないとか、肉を買いだめておくほど大きな冷凍庫がない場合は、常温保存できるタンパク源は備蓄しておくと安心ですね。
魚は無添加の缶詰もあり、うちでもアイコちゃんは24缶入り×3ケース備蓄してます。
あとはダイレクトにプロテインもいいかもしれません。