妊娠に気づかずワクチン接種
今回お伝えするワクチン接種後の死亡例は、厚労省の副反応資料に掲載されたものです(資料URLはこちらp681~、東北大学の医学雑誌TJEM掲載の症例を厚労省が転載)。25歳の女性は、妊娠に気づかずファイザーワクチン2回目を接種。
妊娠陽性がわかってから11日後に吐き気、食欲不振、頭痛で入院。副反応の報告をした医師のいる病院に転院した時はすでに昏睡状態、四肢麻痺,痙攣発作の深刻な状況でした。
さらに入院時の検査で「遺伝性アンチトロンビン欠損症」であることが判明。
アンチトロンビン欠損症とは
アンチトロンビン欠損症とは、ざっくりいうと血が固まりやすくなる病気です。
アンチトロンビンは、トロンビンなどの活性型凝固因子と結合して複合体を作り、これらを中和して凝固の行き過ぎにブレーキをかけます。そのため、このアンチトロンビンが欠乏すると血液凝固の進行に歯止めがかからず、血栓症を起こしやすくなります。
ワクチン接種前からアンチトロンビン欠損症だったのか、接種後になったのかはわかりませんが、ご家族に既往歴はありませんでした。結果的には大脳静脈出血です。引用元は「アンチトロンビン欠乏症は妊娠中の静脈血栓塞栓症の高リスク因子であるが,脳静脈血栓症は稀である。」としており、大脳静脈出血にワクチンが関連している可能性はあります。
入院から死亡までの壮絶な6日間
主な経過を書いていきます(全文は文末に記載)
入院当日
・3時間後にアンチトロンビン(AT)欠損症と診断→AT濃縮液の投与
・頭部 CT スキャンで脳浮腫と急性水頭症の悪化→脳室ドレナージ(脳室にたまった血液や脳脊髄液を排出)
2日目
・深部脳静脈の閉塞→挿管され人工呼吸
・脳浮腫は改善せず→再度血栓除去と血栓溶解を施行し、左 TS (横静脈洞)の再疎通を達成
3日目~6日目
妊娠による凝固亢進を増強するため、患者家族と相談の上、治療的流産を実行
→治療にもかかわらず、患者は全脳浮腫を発症し入院 6 日目に死亡
入院から1週間もたたずに死亡、毎日の治療もそのかいなく、治療を優先して人工流産をしたのに亡くなってしまいました。こんなに悲しいことってあるでしょうか。ご本人はもちろんのこと、ご家族のお気持ちはいかばかりでしょうか。
解剖は遺族が望ます
この症例は、ご遺族が望まなかったこともあり解剖は行われていません。ワクチン接種後に亡くなったケースで、ご遺族が解剖を望む場合とそうでない場合とありますが、どちらであっても尊重されるべきと私は思います。
今回は25才の女性です。入院からあっという間に症状が悪化し、治療のためと流産までさせたのに亡くなってしまった。あれよあれよと言う間に女性と赤ちゃん、2人の命を失ったご遺族の気持ちたるや、想像を絶するものがあります。
接種前にアンチトロンビン欠損症がわかっていれば・・・
「たられば」を言ってもしょうがないのですが、今回のことは、事前にアンチトロンビン欠損症がわかっていれば防げたのかもしれません。抄録には「脳静脈血栓症とワクチンとの関連は不明であるが,COVID-19ワクチン接種はプロトロンビン因子を有する患者に対して慎重な評価が必要であろう」と書かれています。
この被害者の接種日は記載がないのですが、ワクチン接種後の血栓が原因と思われる副反応報告は2020年の一般接種が始まってすぐから相次いでいたので、判明した時点で接種前の検査を取り入れたらよかったのに、と思います。
症例報告 全文
以下に、学術雑誌に掲載された抄録と、厚労省の症例報告全文を掲載します。一体、何人の尊い命を犠牲にするつもりなのでしょうか。どうして、こんな悲しい被害が出ているのにコロナワクチン事業はストップしないのでしょうか?まずは国民ひとりひとりが、今この日本でコロナワクチン接種後に何が起きているのかを知っていただき、1人でも多くの人に拡散いただければと思います。
学術雑誌の抄録
※原本は英語でしたので、それをDEEPLE翻訳したものを掲載します。
抄録
アンチトロンビン欠乏症は妊娠中の静脈血栓塞栓症の高リスク因子であるが,脳静脈血栓症は稀である。コロナウイルス症2019(COVID-19)ワクチンに関連した脳静脈血栓症が報告されているが,メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン接種後の脳静脈血栓症は数例しか報告がない.
妊娠6週目の25歳女性がBNT162b2 mRNA COVID-19ワクチン接種後24日目に頭痛を呈した。翌日,意識障害を呈し,重症脳静脈血栓症と診断された.ヘパリン抵抗性を示し,遺伝性アンチトロンビン欠乏症であることが判明した.DNA検査でSERPINC1のヘテロ接合型ミスセンス変異(c.379T>C, p.Cys127Arg, 'AT Morioka')が検出された.
未分画ヘパリン,アンチトロンビン濃縮製剤による集中治療,血管内治療を繰り返したが,入院6日目に死亡した.アンチトロンビン欠乏症の妊婦の脳静脈血栓症は,急速かつ致命的な経過をたどることがある.アンチトロンビン欠乏症の重症脳静脈血栓症症例では未分画ヘパリンやアンチトロンビン濃縮製剤による治療が有効でない場合がある。アンチトロンビン欠乏症の早期発見と他の抗凝固剤への即時切り替えが必要であろう。脳静脈血栓症とワクチンとの関連は不明であるが,COVID-19ワクチン接種はプロトロンビン因子を有する患者に対して慎重な評価が必要であろう.
25 歳の女性患者(妊娠中)は、COVID-19免疫のため、BNT162b2(BNT162B2)、2 回目、単回量(バッチ/ロット番号不明)を接種した。
患者の関連する病歴は以下を含んだ:「遺伝性アンチトロンビン欠乏症」(継続中か不明)。
患者は事象発現時に妊娠 6 週であった。
併用薬は、報告されなかった。
ワクチン接種歴は以下のとおり:
BNT162b2 (1 回目、単回量)、COVID-19免疫のため。
以下の情報が報告された:
大脳静脈血栓症 (死亡、入院、医学的に重要)、被疑製品の投与から 24 日後、転帰は「死亡」、「致命的大脳静脈血栓症」と記載された。 妊娠時曝露 (非重篤)、転帰は「不明」、「
された」と記載された。
人工流産 (非重篤)、転帰は「不明」、「治療的流産」と記載された。
患者は大脳静脈血栓症で入院した(入院期間:6 日間)。 妊娠は選択的中絶に至った。患者は、以下の検査と処置を受けた。
活性化部分トロンボプラスチン時間: 延長していない; まだ延長していない; 延長した; 脳血管造影: 深部脳静脈閉塞、StS、および注記: 左 TS ;アンチトロンビン III (80-130): 44 %;凝固検査: アンチトロンビン (AT) 活性が 44% (正常、注: 範囲: 80% - 130%) 低下し、プロテイン S (PS) 活性が 27% (正常範囲: 56% - 126%) 低下。凝固時間:延長していない; まだ延長していない; 延長した; 昏睡尺度: 4 (E1V1M2); 頭部コンピュータ断層撮影: CVT が疑われた;右視床の出血性梗塞と、大脳基底核、脳室内出血、直静脈洞 (StS) と左横静脈洞 (TS)の高密度信号;脳浮腫と急性水頭症の悪化、注:脳室ドレナージ要する;フィブリン D ダイマー (正常高値範囲 1.0): 5.97 ug/ml ; 遺伝子塩基配列決定:AT 変異の評価では、ヘテロ接合性、注: SERPINC1 遺伝子のミスセンス変異 (c.379T>C、p.Cys127Arg、「AT Morioka」)が検出された。PS 変異は検出されなかった;臨床検査: 血小板数 258X103/uL と正常値、および注: D-ダイマー値 5.97 ug/mL 上昇 (正常範囲 < 1.0 ug/mL)。
681
その他の検査所見に特記すべきものはなかった; 症状および脳浮腫は改善せず; 全脳浮腫を発症した; 磁気共鳴画像: 深部脳静脈の閉塞は低値、注:強度; 身体的診察:昏睡状態、四肢麻痺、注:痙攣性発作、血小板数:258 10*6/mL、注: 正常;
妊娠検査:陽性;プロテイン S(56-126): 27%。
大脳静脈血栓症の結果として、治療措置が取られた。 患者の死亡日は不明
であった。 報告された死因:「大脳静脈血栓症」。 剖検は行われなかった。
臨床経過: 25 歳女性が、妊娠検査で陽性が出てから 11 日後に、吐き気、食欲不振、および頭痛を訴えた。
彼女は妊娠 6 週であることが確認され、他院に入院した。
入院の 24 日前にCOVID-19 の BNT162b2 mRNA ワクチンの 2 回目の接種を受けた。
翌日、知覚異常が出現した。 頭部 CT で CVT が疑われ当院に転院となった。
当院入院時、昏睡状態、四肢麻痺,痙攣発作を呈した。
グラスゴー昏睡尺度スコアは、4 (E1V1M2)であった。
臨床検査では、血小板数は 258X103/uLと正常で、D ダイマーは 5.97ug/mL と高値を示した(正常範囲< 1.0ug/mL)。
その他の検査
所見は特記すべきものではなかった。頭部 CT スキャンでは、右の視床と大脳基底核の出血性梗塞、脳室内出血、直静脈洞 (StS) と左横静脈洞 (TS) の高密度な信号が認められた。
脳血管造影では、深部脳静脈、StS、および左 TS の閉塞を認めた。
吸引カテーテルによる血栓除去とウロキナーゼによる直接血栓溶解を行った。
StS と左 TS から大量の血栓を吸引し、StS を再疎通させた。
未分画ヘパリン(UFH)の周術期投与にもかかわらず、活性化凝固時間(ACT)も活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
も延長されず、ヘパリン抵抗性が示唆された。 凝固精密検査では、アンチトロンビン(AT)
活性が 44%(正常範囲:80%~130%)低下し、プロテイン S(PS)活性が 27%(正常範囲:56%~126%)と低値であった。
患者とその家族には、血栓形成傾向や血栓症の病歴はなかった。
UFH をボーラス投与し、1500 単位/日の AT 濃縮製剤を継続投与した。
入院 3 時間後に AT 欠損症と診断し、4 時間後に AT 濃縮液を投与した。
翌日、APTT と ACT はまだ延長しなかった。
頭部 CT スキャンでは、脳浮腫と急性水頭症の悪化が見られ、脳室ドレナージが必要となった。
2 日目の磁化率強調磁気共鳴画像では、低強度の深部脳静脈の閉塞が認められた。患者は挿管され、人工呼吸が行われた。
入院 2 日目に UFH 大量投与で APTT と ACT が延長したが、症状と脳浮腫は改善しなかった。 再度血栓除去と血栓溶解を施行し、左 TS 再疎通を達成された。
入院 3 日目に、妊娠による凝固亢進を増強するため患者家族と相談の上、治療的流産を実行した。
これらの治療にもかかわらず、患者は全脳浮腫を発症し、入院 6 日目に死亡した。
患者家族の同意が得られなかったため、剖検を行うことができなかった。
AT と PS の DNA 解析が行われた。AT 変異の評価では、SERPINC1 遺伝子にヘテロ接合性のミスセンス変異
(c.379T>C, p.Cys127Arg, AT Morioka)が検出された。この突然変異は I 型 AT 欠損症を引き起こす(Ozawa et al.1997)。PS の突然変異は検出されなかった。低 PS 活性は妊娠の影響である(Comp et al.1986)。
患者の姉妹と母親も、AT 値がそれぞれ 45% と 52% と低かったが、妊娠中に血栓症事象を経験しなかった。
これ以上の再調査は不可能である。
ロット/バッチ番号に関する情報は得ることができない。
さらなる追加情報は期待できない。
追加情報(2022/11/15):本報告は以下の文献源の文献報告である。
Fatal Cerebral Venous Thrombosis in a Pregnant Woman with Inherited Antithrombin
Deficiency after BNT162b2 mRNA COVID-19 Vaccination", Tohoku journal of experimental
medicine, 2022; DOI:10.1620/tjem.2022.J095。
本報告は文献入手に基づく追加報告である;症例は文献で確認された追加情報を含むよう更新された。更新された情報は以下の通り:文献および著者情報を更新した。検査値とワクチン接種歴を追加した。患者は、BNT162b2 mRNA ワクチンの 2 回目の接種後に大脳静脈血栓症と治療的流産を発症した。
追加情報(2022/11/30):
本報告は、以下の文献源の文献報告である:Fatal Cerebral Venous Thrombosis in a
Pregnant Woman with Inherited Antithrombin Deficiency after BNT162b2 mRNA COVID-19
Vaccination、Tohoku journal of experimental medicine, 2022;
DOI:10.1620/tjem.2022.J095。
これは、出版の入手に基づく追加報告である;本症例は、文献にて確認された追加情報を含む
よう更新された。更新情報は以下を含んだ:文献情報が更新された。
心からご冥福をお祈りいたします。