レムデシビルが「へび毒」説で再度注目
ヘビ毒の話が出てきてコロナ治療薬の「レムデシビル」が再度注目を浴びています。さらに志村けんさんはレムデシビルを投与されて亡くなったのでは?忽那医師も関係しているのでは?という疑惑もあり、そのあたりネットで調べました。ここでは事実のみ伝えますので、判断はあなた自身でしていただければと思います。
先に要点だけにいうと
わかっていること
■レムデシビル承認資料に投与後に日本の70代男性死亡の記載あり
■志村けんさんが死去した国立国際医療研究センターでは承認前にレムデシビル治験を行っている
■国立国際医療センターの理事長らが医師会公式サイトでレムデシビルの記事を書いている
■志村けんさんが入院していた当時、忽那医師は国立国際医療研究センター内の国際感染症センター医長
■国際医療研究センターの総合感染症科で2020年にコロナ感染症を460例みている
わかってないこと
■志村けんさんと忽那医師に接点があったかどうか
です。念の為、当時のニュース記事を貼っておきます。この記事からわかるのは「入院先では未承認のレムデシビル治験が行われている」「志村けんさんに投与されるかどうかはわからない」ということです。
それでは1つ1つ検証していきます。
レムデシビルの承認申請資料に日本人死亡例?
レムデシビルはコロナ治療薬として、コロナが出現した2020年の5月に承認されました。ニュースでも「異例ずくめ」と言われるほどの突貫工事、申請からたったの3日で承認です。すごいですよね、、、アメリカでは緊急使用許可という扱いでしたが、日本は特例とはいえ”承認”です。
特例承認で厚労省に提出された資料がこちら→レムデシビルの特例承認資料(厚労省HP)
この資料ではコロナワクチン同様に「人道的見地から行われた本剤の投与経験」のところに黒塗り箇所があります。
気になるのは、日本における死亡例の注意書きです。なぜか死亡者の年齢が黒塗りにされてます。また「本邦において」の事例にも関わらず、死亡者の人種は不明です。
志村けんさんが亡くなった年齢は70歳だったのとエクモも使用していたので、もしや・・・と思ったのですが、「人種不明」とあるので、志村けんさんではないことがわかります。
でもなぜ年齢を黒塗りするのか。「人種不明」ってなに?
2020年の3月といえばまだコロナ出始めの頃。切羽詰まってたあの時に志村けんさんが搬送されるような大病院で、人種不明な人がコロナ感染で入院とあればニュースになってもよさそうというのが素朴な疑問です。ただ、この申請資料からは、志村けんさんの投与後死亡は確認できません。
国立国際医療研究センターでは承認前にレムデシビル治験を行っている
これについてはグーグル検索でかなり探しても出てこなかったのに、ダックダックゴーで検索したら一発で出てきました。なぜグーグルはこれを隠すのでしょう。
記事本文はこちら
厚労省の承認申請の資料にも、この第三相試験については掲載されているので、これについては確かだと思われます。
国立国際医療研究センターの臨床研究センター長と理事長が医師会サイトでレムデシビルの記事執筆
国立国際医療研究センターはレムデシビルの治験参加施設ということもあり、医師会ホームページにおいてもレムデシビル記事はセンターの人が書いています。医師会が運営する「医師会COVID19ー有識者会議」というサイトで、レムデシビル承認から1週間後の5月15日に書かれた記事がこちら。(画像クリックすると本文に飛びます。)
ですから、国立国際医療研究センターがレムデシビル治験をしているというのは、特に隠すようなことでもなく医師会メンバーも知っているようなことなのではないかと思います。(グーグル検索した時になぜすぐ出てこないのかはすごく謎ですが)
ちなみにこのレムデシビルの記事では、厚労省が黒塗りにしている「人道的見地の・・・」の日付についてはきちんと記載されいて「3月7日まで」となっています。志村けんさんが亡くなったのが3月29日なので、このことからも、志村けんさんが「人道的見地の・・・」に参加していないことはわかります。
忽那医師国立国際医療研究センター内の国際感染症センター「医長」だった
これもオープンな情報でして、忽那医師の阪大の紹介ページに経歴一覧として載せられています。
この経歴を見る限り志村けんさんが入院から死去するまでの時期と、忽那医師が医長として所属している時期はかぶります。
だからといって、志村けんさんと忽那医師に接点があったのでしょうか?国際感染症センターのホームページがこちら。
トップページをスクロールして下の方にいくと「受診の相談」「海外から帰国後の体調不良など → 総合感染症科」があります。
そこをクリックすると総合感染症科のコロナ診療実績が出てきます。
該当ページはこちら
コロナを実際に診ていたのは「総合感染症科」なので、国際感染症センターの医長が果たしてどれだけ関わっていたのかはわかりませんが、センター医長であり、総合感染症科でもないのに直接志村けんさんの治療に携わるというのは、ちょっと考えられないかなとは思います。
ただ、あれだけ騒ぎになっていたので、知らないはずはないとは思います。このあたりはもう憶測だらけになってしまうので、事実関係としてはここまでしかわかりませんでした。
わかっていないことは
以上のことからまとめると、事実として
■志村けんさんが死去した国立国際医療研究センターでは承認前にレムデシビル治験を行っている
■国立国際医療センターの臨床研究センター長と理事長が、医師会公式サイトでレムデシビルの記事を書いている
■忽那医師は国立国際医療研究センター内の国際感染症センター「医長」
■施設としては2020年にコロナ感染症を460例みている
です。内部事情まではわからないので、これだけの情報で判断することになるのですが、何かと、いろいろ何かと関係しているのだなということはわかりますよね。ただ、この事実だけでは
■志村けんと忽那医師に接点があったかどうか
まではわかりません。
レムデシビルの会社が抗HIV薬を日本で販売
また、レムデシビルそのものについても、なんだかな~と思うことはあります。長くなるのでレムデシビルについてはまた別の記事として書きますが、一つだけ。レムデシビルを作ってる「ギリアド・サイエンシズ」のお知らせにHIVのことが・・・
このギリアド・サイエンシズは抗HIV薬を日本でも販売しています。以下は2019年の9月、コロナが話題になる3ヶ月前に、販売元の鳥居薬品からギリアド・サイエンシズが販売を継承しますよ、のお知らせの一部。
社長のメッセージが「HIV 感染症治療薬を必要としている患者さんに複数の治療選択肢をお届けすることができることを大変うれしく思います。今後も、日本に約 29,000 名※いるといわれる HIV 感染症の患者さんの治療を改善していくために全力をそそいでまいります」
全文はこちら
コロナ前からバリバリの抗HIV薬会社で、エボラ出血熱用の薬もコロナ用として横流しするだけ。レムデシビルが本当にヘビ毒様の症状が出てHIVにも関わるような機序があるとしたら、まさにマッチポンプといったところでしょうか。私の単なる妄想であることを願うばかりです。
ちょっと怖いおまけ
今回登場した「国際医療研究センター」の他に「肝炎・免疫研究センター」「肝炎情報センター」とギリアド・サイエンシズとの利益相反事情です(資料URLはこちら)
●PDF1ページめ
●PDF2ページめ
■人道的見地から実施される治験についてはPMDAのこちらが参考になります
■レムデシビルの添付文書はこちら
※レムデシビルの販売名は「ベクルリー点滴静注用」です。飲み薬ではなく点滴です。