コロナ薬の害

イベルメクチン転帰死亡は8人か5人か

コロナやワクチン後遺症にも効くらしいイベルメクチン。今回はイベルメクチンの副作用をPMDAで調べまとめました。ソース元はPMDAのイベルメクチン重篤者一覧です。

イベルメクチンの特殊な背景

まず先にイベルメクチンの特殊事情において説明します。

副作用報告の95%以上はコロナ以外

イベルメクチンはコロナ治療薬として開発されたわけではないので、PMDAの副作用報告で多いのは「ダニ皮膚炎」など本来のイベルメクチン適応症例がほとんど。

報告期間は2004年から2022年の18年間分、重篤者は全部で181人、そのうち8人がコロナ治療目的なので、95%はコロナ以外で処方された際の重篤例となります。

重篤者の比較

モルヌピラビル:10ヶ月で重篤者552人

レムデシビル:2年で重篤者493人

イベルメクチン:18年で重篤者181件コロナでは8人

なので、もし「日本でもイベルメクチンの重篤者は181人もいるじゃないか」はかなり的外れなので、こういう批判みたらツッコんであげてください。

 

コロナ治療での処方は推奨されていない

イベルメクチンはコロナで有意差が出ないという治験結果もありますが、それよりも前からすごい叩かれる風潮がありました。PMDAでも2022年6月までしか報告がなく、それ以降はありませんでした。

処方されているけど副作用報告がないのか、処方そのものがされていないのかまではわかりません。

コロナ治療目的の全処方数は不明

モルヌピラビルやレムデシビルはコロナ感染者のみに処方されるので売上から処方数は見当がつきます。ですがイベルメクチンはダニ皮膚炎など適応が広く、コロナ以外がかなりあると思われるので売上から計算することもできません。

以上のことから、今回お伝えできるのは
・2022年の6月までにPMDAで何件の重篤があるか
・重篤症例のうちわけ

のみです。

症例が重複している可能性

まず結論からいうとイベルメクチン副作用疑いの重篤者181人のうち、コロナ治療目的の重篤者は8人、このすべてが転帰死亡でした。しかしこの8例の内容をみていくと、これは同じ人では?と思う重複が3人。

重複事例1(ラゲブリオ併用)

 

重複事例2(レムデシビル併用)

 

重複事例3(レムデシビル併用)

 

 

確定ではないですが、これを重複事例とすると転帰死亡は5人となります。

 

また、重複していない残り2人のうち、1例はレムデシビル併用です。

 

ラゲブリオ・レムデシビルなしは1人のみ

つまりイベルメクチンの副作用疑いとしての重篤者は5人、全員が転帰死亡。そしてそのうち4人はコロナ新薬を併用しており、コロナ新薬を併用していないイベルメクチン重篤者は1人のみとなります。

 

だからなに?

冒頭でもお伝えしたように、イベルメクチンの背景は特殊なので、コロナ新薬のラゲブリオやレムデシビルと転帰死亡者数だけ単純比較しても、あまり意味はないと思います。

ただ、反ワクチン叩きの一環としてイベルメクチンを叩く人たちが一定数いるので、その人達の言っていることが事実に基づくのかどうかの判断根拠の一つにはなると思います。

例えばこちらのツイート

産婦人科の池澤先生はワクチン後遺症で患者さんと直接対峙し、イベルメクチンの著効を直に経験している先生です。

その先生を相手に、イベルメクチン批判をしているわけですが、このツイートのツッコミどころを3つ。

●なぜアメリカなのか(日本のデータがあるのに)

●アメリカの全体の処方数がわかってない

●重篤例のうち、ラゲブリオやレムデシビルの併用事例はないのか

です。

米国でも日本でも、コロナ感染者にイベルメクチンがどれほど処方されたかわからない限り、なんともいえないのですが、重篤件数だけで批判できるなら、「日本ではたった5例だし、そのうちの4例はレムデシビル・ラゲブリオ併用ですけど?」と返せるわけです。

まあ、基本こんな部分的データだけで批判はできないので、どっちもどっちなんですが^^; いかにもそれっぽい批判をしてそうに見えて実はそうでもない、というのがイベルメクチン叩きだったりします。

今回の記事でお伝えしたかったのは以下の5つ
・イベルメクチン重篤例は8人中8人が転帰死亡
・3例はおそらく重複なので実質5人
・5人のうち4人はレムデシビル・ラゲブリオ併用
・全処方数はわからない
・条件が違うのでレムデシビルやラゲブリオと比較をしても意味がない

です。

例えば「5人のうち4人はレムデシビル・ラゲブリオ併用」を「なんと!イベルメクチン死亡者の8割がラゲブリオ・レムデシビル併用だった!」ともいえます。でも実際は5人のうちの4人、というだけで、実数的は少数なのです。

少数だから無視していいとかそういう話ではなく。どちらの立場であっても大げさに伝えようと思えばできる、ということです
実数を隠す
全処方数を隠す
処方期間を隠す
自国データを伏せる
など都合の悪い条件を省き、みせたい数字だけを大げさに見せる

というのは私だってやろうと思えばできます。

ですから、数字の見せ方には十分ご注意ください。
・症例数を単純に数えるだけではなく症例報告の中身も見てみる
・割合や%だけではなく、実数も見てみる
・母数はどうなのか
・期間はどうなのか
・どの国の話なのか(国の人口差があればその差は勘案する必要ありです)
など大事。コロナ禍では統計マジックがたくさん行われてきたので、がんばって見る目を養いましょう。

※実数は特に大事です。コロナ後遺症の心筋炎は、実数を伏せた数字マジックで多くの国民を騙しました。

 

イベルメクチン推しではない

反ワクチン=イベルメクチン推しというイメージがあるようですが、私はイベルメクチン推しではないです。飲んだこともないです。

予防的に毎日飲む人もいるそうですが、もとは駆虫薬で催奇形性もある薬なので、健康な人がサプリメント感覚で常用するものではないと思います。

ただ、コロナやワクチン後遺症に著効する話はいくつも知っているのでたとえ有意差が出なかろうと、効く人には効くのだろうなと思います。コロナワクチンは治験で有効性95%だったはずですが、全く意味なかったですしね。有意差あるのに現実と乖離してるなんて、もはや統計の意味がないのですよ。

新型なのでしょう?新技術のワクチンなのでしょう?未知のことがたくさんあるのだから、現状の有意差だけが正解なわけないんです。有意差信仰もほどほどにしないと、現実からかけ離れた妄想人間になってしまいますのでご注意を。

「統計の嘘」で自衛しましょう。悪用は厳禁です。

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イベルメクチンのコロナ適応、効果についての検証本もあります。

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