子どものワクチン

【赤ちゃん予防接種】5種類を同時接種→急性散在性脳脊髄炎ADEM発症

赤ちゃんの予防接種スケジュールが過酷すぎる

今回は痛ましいですが、生まれてまだ3ヶ月の赤ちゃんです。コロナワクチンではない、予防接種スケジュールに組み込まれているワクチンで急性散在性脳脊髄炎(ADEM・アデム)と診断されました。

今の赤ちゃんは生まれてすぐから予防接種スケジュールがかなり過密です。特に3ヶ月めが最も多く、8回もあるんです。となると週に2回ペースで打つことになり、これだけでも大丈夫なのか?小さな体に負担はないのかしらと心配になってしまいます。

そして保護者にとっても毎週2回、予防接種のために小児科に行くのは大変ですよね。そこで登場するのが「同時接種」です。大人でもコロナワクチンとインフルエンザワクチンの2種類を同時に接種するなど話題になっていましたよね。これを3ヶ月の赤ちゃんがやるわけです。

ですが、今回の同時接種は2種類どころではなかったのです。なんと一気に5種類も打たされていました。大人でも一気に5種類のワクチン接種なんて御免こうむりたいものですが、まだ生まれて3ヶ月しかたってない赤ちゃんに打ったのです。そんなことしていいの?と思ったんですが、ググってみてさらにビックリ。

1回に打てる最大数は5回です」という記事や「両手両足に1本ずつ&経口(飲むワクチン)」といった小児科の記事がズラズラとヒットしたんです。なんと「両手両足に1本ずつ」と「飲むワクチン」で5種類だそうで。

 

今はこれがスタンダードなのかもしれませんが、あまりに過酷なスケジュールだと感じるのは私だけでしょうか?そして残念ながら被害が実際に起きてしまったのです。今回は残念ながら急性散在性脳脊髄炎(ADEM)になってしまった赤ちゃんについての報告です。情報元は厚労省載されていた「料2-26    ワクチン接種後のADEM報告一覧」(1月20日の副反応検討部会資料)です。

 

赤ちゃんにとって過酷な症状の連続

のちほど報告書の全文掲載をしますが、まず大まかな流れについてお伝えします。

接種したワクチン

・テトラビック(4種混合ワクチン)
・アクトヒブ’(ヒブワクチン)
・プレベナー13(小児肺炎球菌)
・組換え沈降B型肝炎ワクチン
・ロタウイルスワクチン

 

接種後~6日間

・接種当日の夜から斜視

・翌日病院受診、検査。斜視の他にわずかに単核球の増加、それ以外は異常なしとするも予防接種の副反応と診断

・3日後 左共同偏視を伴う全身性強直性痙攣と意識障害

・4日後 抗MOG抗体陽性(※中枢神経に炎症性脱随病変を生じさせる自己抗体で、視神経炎、脳炎、脊髄炎などの原因)

・5日後 痙攣後の変化を伴う急性脳炎と診断

・5-6日後 覚醒、斜視消失

ADEMと診断されるまで

・14日後 退院

・23日後 哺乳不良と眼球運動障害で再診

神経学的所見
眼球運動障害(右眼:外転位、左眼:正中位で固定されており追視は両側ともほぼみられず)、
左顔面神経麻痺(閉眼不能、鼻唇溝消失、口角下垂)、
左舌下神経麻痺(挺舌左偏位) を認め、
右足クローヌス陽性(足がぴくぴくするなどの症状)

・24日後
橋左側、左小脳半球、右前頭葉深部白質に多発高信号域を認めた。
多巣性の脱髄性病変としてADEMと診断

5回同時接種してから24日後、3週間以上がたって、やっとADEMと診断されました。

回復まで

・26日後 眼球運動が少し回復、挺舌も正中位に改善

・29日後 神経学的所見は少しずつ改善するも、左眼球運動障害と左口角下垂が残る

・78日後 接種から約2ヶ月半をかけて臨床症状すべて消失

・79日後 脱髄性病変は完全に消失。以降、再発を認めず、発育発達も順調

接種から79日というと、約2ヶ月半以上の長きに渡ります。赤ちゃんの1ヶ月2ヶ月というのは非常に重要な期間ですが、この時期をワクチンの副反応に苦しみながら過ごすことになってしまいました。

回復後、赤ちゃんにまたワクチンを接種

3ヶ月の赤ちゃんに5本同時打ちして過酷な副反応に見舞われるというのは、私的にはなかなかショッキングです。赤ちゃんの親御さんたちはなおさら、ショックは計り知れないと思います。

ところがです。報告書を読むと、回復したあとも、予防接種スケジュールを守るべくワクチンをまた接種しているのです。今度は同時打ちではなく1回ずつで経過は順調だとのことですが。いくら1回ずつといっても怖くないのでしょうか?またADEMになったら・・・とか考えないのでしょうか?

今回の副反応は同時接種が原因だったのか、5本のどれか1本だけの副反応だったのか、あるいは2,3本合わせたための副反応だったのかは、もはや複雑すぎてわかるはずもありません。ですが、医師も認めるようにワクチンが原因である可能性はかなり高いはずです。

もしかしたら1種類だけでもADEMだったかもしれなし、2種類でなっていたのかもしれません。こればかりはわかりませんが、これだけ赤ちゃんが酷い目にあっているのに、その原因となるワクチンをまだ打つという感覚が、私にはとても怖く思えます。

 

 

抗MOG抗体は、インフルエンザワクチン接種後にも22才の女性で報告されています。研究の抄録があったのでこちらも参考にしてみてください。

 

症例報告書、全文

では、ここからは、報告書に記載されている全文を載せます。報告者は改行なしだったので、私が適宜改行や行間をとりました。

ポイント

先行感染と思われるエピソードなし。

沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン1期1回目、
乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)2回目、
沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)2回目、
組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)2回目、
ロタウイルスワクチン2回目

を同時接種。

接種当日夜、発熱、哺乳不良、間欠的な左内斜視が発現。
発現翌日、精査加療目的のため、A病院へ入院。

体温38.2℃、
呼吸数36回/分、
脈拍158回/分、
血圧120/42mmHg。

意識清明で大泉門膨隆や項部硬直などの髄膜刺激徴候はなく、
身体所見上に特記事項を認めず。

左内斜視が間欠的に出現していたが、
瞳孔径は左右差を認めず、
対光反射は両側迅速であり、追視も確認。

それ以外の神経学的所見に異常を認めず。
一般血液・生化学検査は異常なし。

髄液検査の結果、わずかに単核球の増加(総数76/μL:単核球73/μL)を認めたが、
蛋白・糖は正常。

頭部CT検査の結果、異常所見を認めず。

臨床経過と所見より、
予防接種後の副反応と診断。

補液により経過観察。
発熱、間欠的左内斜視は継続。

発現3日後、左共同偏視を伴う全身性強直性痙攣と意識障害が発現。
ミダゾラムの静注投与により一旦止痙。

発現3日後から発現4日後にかけて、
再度痙攣を認め、フェノバルビタールの静注投与を追加し、止痙。

発現4日後、髄液検査の結果、単核球優位の細胞増多(総数323/μL:単核球312/μL)の進行を
認めた。
蛋白104mg/dL、糖48mg/dL。
ヘルペス脳炎を含む急性脳炎を念頭にアシクロビルとマンニトールの投与を開始。
抗MOG抗体陽性(髄液16倍)。

発現5日後、解熱。頭部MRI検査の結果、
T2強調画像で両側中心溝周囲の皮質?皮質下白質に左右対称性の高信号域を認め、
痙攣後の変化を伴う急性脳炎と診断。

発現5日後から発現6日後にかけて覚醒し、内斜視も消失。

発現7日後、マンニトールの投与を終了。

発現12日後、フェノバルビタールの投与を終了。

発現13日後、髄液中の単純ヘルペスウイルスPCR検査で陰性を2度確認して、アシクロビルの投与を終了。頭部MRI再検の結果、異常所見の消失を認めた。

発現14日後、退院。

発現23日後、哺乳不良と眼球運動障害を主訴にA病院を再診。
体温36.6℃、 呼吸数30回/分、脈拍138回/分。
活気はやや不良であったが、一般身体所見は特に異常を認めず。

神経学的所見の結果、
眼球運動障害(右眼:外転位、左眼:正中位で固定されており追視は両側ともほぼみられず)、
左顔面神経麻痺(閉眼不能、鼻唇溝消失、口角下垂)、
左舌下神経麻痺(挺舌左偏位) を認め、
右膝蓋腱反射亢進、右足クローヌス陽性も認めた。

※挺舌(ていぜつ):舌を前に突き出すこと
※クローヌス陽性とは、足首や膝の関節がほんの少しの刺激でピクピクとリズミカルに何度も動いてしまう現象

対光反射は両側迅速で光刺激に対する視覚反応自体は確認された。

血液検査の結果、
特に異常所見を認めず。

髄液検査の結果、
細胞数増多はなく(総数10/μL)、蛋白・糖も正常範囲内。
ミエリン塩基性蛋白は上昇(303pg/mL、基準値<102pg/mL)、
オリゴクローナルバンド陰性、IgG indexは正常範囲内。
抗MOG抗体陽性(血清2,048倍、髄液16倍)。

発現24日後、頭部MRI検査の結果、T2強調画像とFLAIR画像において、
橋左側、左小脳半球、右前頭葉深部白質に多発高信号域を認めた。
多巣性の脱髄性病変としてADEMと診断。←発現から24日目でやっと診断される
ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン30mg/kg/日)を開始。

発現26日後、ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン30mg/kg/日)を終了。
右眼は正中位に戻り、眼球運動がわずかにみられるようになり、挺舌も正中位に改善。

発現29日後、再度挺舌左偏位を認めたため、
免疫グロブリン大量療法2g/kg/日を合わせて施行。
その後、ステロイドパルス療法を計3クール施行。多彩な神経学的所見は徐々に改善するも、
左眼球運動障害と左口角下垂が残存。

発現43日後、病変の再燃を危惧し、
後療法としてプレドニゾロン1.6mg/kg/日の静注投与を開始。
その後、プレドニゾロンの投与量を漸減。

発現55日後、プレドニゾロンを内服投与に切り替え。

発現78日後、臨床症状がすべて消失し、プレドニゾロンの内服投与を終了。

発現79日後、頭部MRI検査の結果、脱髄性病変は完全に消失。
以降、再発を認めず、発育発達も順調。

発症後の予防接種は1種類ずつ行い、副反応は認めず、
年齢相当の接種スケジュールを済ませることができている。

発現4日後の髄液検体からも抗MOG抗体(16倍)が検出されたため、
急性脳炎と考えていた病態にも抗MOG抗体の関与が示唆され、
抗MOG抗体陽性ADEMとして一連の経過であったことが後ほど確認された。

 

小さい子を持つお父さんお母さんには、ぜひこの本を読んでほしいです。すでに本の方はプレミア価格になってしまっているので、キンドルが現実的かと思います。

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